最新の睡眠科学に基づく、”より良い睡眠のための7ヵ条”
1. 夕方以降は家全体を少し暗めにしよう!
私たちの体内時計は、脳の”マスタークロック”によって制御されています。夜に目に入る明るい光はマスタークロックを狂わせてしまい、睡眠の邪魔をします。
また、眠るまえに強い光を浴びると、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが抑制され、自然な眠りを妨げてしまいます。
私たち人間は、昼行性動物ですから、光そのものに覚醒作用があるのです。
そのため、夜はリビングルームなど、家の中の照明を少し落とし、就寝に移行する準備をしましょう。そして、寝室はできるだけ暗くして眠るようにしてください。
フットライトなど、それほど明るくない常夜灯はつけておいても大丈夫です。光をうまく整えることが、健康な睡眠に繋がります。ちなみに、近くのものを長時間見続けなければ、薄暗い中で作業をしても視力の低下につながることはありません。
2. 就寝の寝る3時間から4時間前に夕食をとろう!
夕食は眠る3時間から4時間まえまでに取りましょう。入眠までのあいだにしっかりと消化させることが重要です。
しかし、空腹感が強すぎると眠りにくくなってしまいます。あまり早くに夕食をとることも避けたほうが良いでしょう。また、あまりよく噛まずに食べていると、睡眠サイクルが乱れてしまうと言われています。適度に噛んで食べることも睡眠にはとても大事です。
3.カフェイン・アルコールはほどほどに!
カフェインは脳の眠気を生み出す部分に働き、眠気を抑えてしまいます。カフェインの作用は個人差がありますが4時間から5時間、人によってはもっと長く続くこともあるため、心当たりのある方は夕方以降の摂取をできるだけ控えましょう。
また、アルコールには催眠作用がありますが、睡眠の質がとても悪くなります。お酒を飲んだときに発生するアセトアルデヒドに交感神経を刺激する作用があり、覚醒作用によって睡眠の質も量も低下させます。
理想的には、眠る前までにアルコールが抜けて酔いが醒めるくらいの飲み方が良いとされています。ちなみに、少量のアルコールは「体に良い!」と言われていましたが、最新の研究ではそんなことないみたいです。お酒が好きな人には残念ですが・・・
4. 就寝1~2時間前に、身体を芯から温めよう!
私たちは、深部体温(身体の内部の温度)がいったん上がって下がっていくときに眠くなるとされています。
そこで、就寝する1時間から2時間まえに少しぬるめのお湯で入浴し、深部体温を0.7度ほど上げてあげると、その後よく眠れるようになります。これは”温泉効果”と呼ばれ、交感神経が優位になるのを抑制し、脳の興奮を落ちつかせる効果があるためです。
このように睡眠の質には、体温の変化も重要だと考えられています。
5. 部屋を静かにして、室温も整えよう!
さらに、よく眠るためには、部屋を出来るだけ静かにすることも重要です。とくに人の話し声などは、睡眠の邪魔をしやすいと言われています。
睡眠時は、自分にとってちょうど良い室温を朝まで保つことも心がけてくださいね。冷えすぎたり、暑すぎたりするのは睡眠にとってよくありません。
6. 自分にあったナイトルーティンを見つけよう!(パブロフの犬を目指せ!)
自分がリラックスできるルーティンを作ることも効果的です。リラックスできる方法は人によって違い、万人に効果的なものはありません。自分が好きな香りのアロマキャンドルをつける、オチを知っている本を読む、ペットと遊ぶ、無心になれるようなパズルを解いてみる、リラックスできる音楽を聞く、心地よい寝具やパジャマを探してみるなどなど、リラックスできて続けやすいルーティンを探してみてください。毎日ルーティンをこなすことで、”眠りグセ”をつけることも効果的です。しばらくの間、毎晩ルーティンを続けると、脳が「これをやったら眠るんだ」と覚えて、スムーズな寝付きを助けてくれるようになります。
7. 起きたら朝日を浴びて、1時間以内に朝食をとろう!
私たちの体内時計の周期には個人差があり、最新の研究では、その平均値は”24時間10分”だと言われています。
私たちの身体は、起床時に外の光を浴び、そして朝食を食べることで体内時計がリセットされ、その日の周期にあうようにできています。
そのため、体内時計を整えるには、起きてから1時間以内に食事を取ることが大切です。朝忙しいからといって昼にまとめて食べるのは、あまりよくありません。
気持ちよく目覚めたら、次の晩も良い睡眠をとるための準備を朝からはじめましょう。